本の紹介

【本の紹介】反応しない練習(草薙 龍瞬)

「正しく考える」ことでどんな悩みも解消できる。

この本では、「心の反応」がいかに自分を悩ませているのかを理解し、悩みを正しく考えて解決する方法を、ブッダの教えに基づき解説してくれています。

あなたの悩みの正体は、ほとんど妄想で、それをただしく理解できていないから誰かや何かのせいにしているのかも知れません。

いつもイライラしている人や、漠然とした不安や恐れがある人、誰でも持っている、怒りや執着、自己否定やジャッジを手放すために、全人類に読んで欲しい良書です。

悩めるアルパカ
悩めるアルパカ
心をぶらさない、もの事の捉え方を学べます

本の要約

無駄な反応をしなければ、人生はどれほど楽になる事でしょう。

動揺しない

落ち込まない

腹が立たない

プレッシャーを感じない

これこそが人生の救いです

反応しない練習を教えてくれるのは「目覚めた人」ブッダです。

ブッダの教えは「心の無駄な反応をやめる」ことで

一切の悩み、苦しみを抜ける方法です。

(本書より引用)

『ある』ということを理解する

ブッダは、悩みを無くそうとせず「理解」することが大切であると説いています。「ある」ものは「ある」ことを理解すること(気づくこと)が解決に繋がります。

  • 満たされない心とどう折り合うのか「心はそういうものだ」と理解する。
  • 自分の承認欲求「欲」「欲望」「欲求」を客観的に理解する

「この反応の理由は承認欲求だ」理解することが、悩みを手放す一歩に繋がります。

また、仏教の世界では「苦しみの原因は執着にある」と言われています。執着を手放せないのも心の反応です。求めることで見えてくる可能性もあるかも知れません。しかし、ブッダが教えているのは 「求めても満たされるとは限らないのが心である」という理解です

心の反応に気づく

『こころの反応』に気づくためのアプローチ方法あります。こころの反応に気づくこと、客観的に自分を見ることでその反応を手放すことができるようになります。↓

【心の状態を言葉で確認する】

例えば「お腹がすいている」「こころがモヤモヤしている」「緊張している」など客観的に確認します。人といる時も「楽しんでいる」「イライラしている」など心の状態を「ラベリング」します

実践するとわかってきますが、言葉で確認すると反応から抜け出せるようになります。

【アタマの中を分類する】

  • 貪欲・・・求め過ぎ・期待しすぎ
  • 怒り・・・不満・不快
  • 妄想・・・頭の中でぼんやり考えている状態

自分が今、どの状態にいるのか理解する。正しい「理解」に「反応」はありません。ただ見ているだけです。この、「ただ見ているだけ」とは、瞑想状態のような感覚だと思います。本書ではこのクリアな心で、自分を相手を世界を理解することを「正しい理解」と表現しています。

全ての事には意味は無くただ「ある」だけです。意味づけをしているのはあなたの心の反応です。

悩みの多くは、この正しい理解が出来ていない状態から起こっています。

何故、不安に感じているのか?その不安は妄想ではないか?

何故、怒りを覚えているのか?その怒りは承認欲求からではないか?

何故、傲慢になってしまうのか?その人や物事を判断(ジャッジ)しようとしていないか?

自分の心が何に反応しているのか?そこに気づくことで、悩みの原因が分かってきます。心は何に反応しているのか?自分の心のがどこを向いているのか?いつも妄想で忙しいアタマの中をどうやって「今」に持っていくのか?

この本では、歩きながら心を掃除するやりかたや、妄想を上手にリセットしたり自分を否定せず、自由な心を取り戻すための方法など、いくつかのエクササイズが紹介されています。いつも悩みが尽きないような方は、このエクササイズをするだけでも変化を感じられるはずです。

感銘を受けた言葉

『かなわなかった過去の願い』が苦しみを生んでいる。『失敗した』(こんなはずではない)という判断が苦しみを生んでいる。『相手はこうでなければ』という期待・要求が、苦しみを生んでいる。これらの『執着』を手放さなければ自分も相手も苦しみ続けてしまう。

『自分が』『あの人が』という思いが“心に刺さった矢”であることに、人は気づかない。正しく見るものに、苦しみを繰り返すこだわり(自意識)は存在しない。

人間が考える多くの判断は、実は真実でもないし、有益でもありません。いわば”ヒマつぶし”です。なぜそんな判断をしているかと言えば、すでにお伝えした通り『判断自体が気持ちいい』ことと『承認欲求が満たされる』ことが理由でしょう。この二つの理由はまさに、”慢”の正体そのものです。

『どう考えても』というその『考え』は、自分のアタマで考えた事である以上、『どう考えても』自分の考えしかでてきません。自分で考えれば、自分の考えだけがでてくるのは、当たり前の話です。しかし、だからと言って、その考えが正しいということにはなりません。

自分はエライ、正しいという”慢”の心に固まってしまうと、周囲との間に『壁』が出来てしまいます。(中略)また、何か言われると自分を否定された気がして、逆上したり、落ち込んだりと苦悩を溜めていきます。こうした苦しみは周囲が問題なのではありません。『自分が正しい』という思い込みが、原因なのです。

『自分を否定する』という判断に合理性はありません。なぜなら①その判断は苦しみを生んでいるし、②その判断は妄想に過ぎない、からです。真実でも有益でもない判断は、必要が無いというのが、ブッダの考え方です。

もし唯一『自信』を持てることがあるとすれば、それは『こう動けば成果が出る』という見通しが立つようになった時です。それはもちろん、行動・体験の積み重ねの後、”時間の蓄積”の後に、初めて持つことができます。

感想

ブログ主がスピリチュアル好きなので、スピリチュアルな観点も含め感想を述べています。

『反応しない練習』と題名を読んだだけの状態のときは、人に対して反応をしない練習なのかと勘違いしていましたが、『自分のこころに反応しない』練習でした。

世の中の人、全てに共通する、承認欲求や虚栄心、執着や判断はほとんどが自分の中で起こっていることで、妄想に過ぎない。スピリチュアルでもよく語られている事ですが、実際どう考えたら良いのか?どうやって心を矯正していけばいいのか?が良くわかりました。

心の向く方向を『今』に持ってくることで、その心の判断から離れることができるというのは、マインドフルネスを極めたブッダだからこそできることなのでは?とも思ってしまいがちですが、現代の私たちにも分かりやすい形で『今』に向き合う方法を紹介してくれていたので、誰でも実践しやすいと感じました。

特にラベリングの方法は面白いと思ったので、頭が忙しいときに使いたいと思います。少し取り入れてみましたが、すぐに現実に戻ることが出来て面白いです!瞑想状態に入れますし、心がフラットになります。習慣に出来たら無駄な時間が減りそうです。

まずは自分が今、何に心を囚われているのか?悩んでいるのか?(妄想しているのか)に気づくことが大切で、『気づく・理解する』ことで少しづつでも執着を手放し、『今』に集中することができると良いと思います。

最初から最後まで引き込まれました。何度も読み返してこの『心の在り方』を身に着けることができたら、最強の自分になれると思います。

著者紹介 草薙 龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)


僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探究しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。著書に『これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活』(KADOKAWA)、『大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ』(海竜社)がある。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA